関西シクロクロスを観戦してみて

「もう1本観戦側からのエントリを書いてひとまずの締めとしたいと思います。」なんて書いておきながら、ズーンと時間があいてしまいました。いつもの悪い癖です。忘れてしまわないうちに、今シーズン全体の感想を。

関西シクロクロスには今シーズンから観戦&出走を始めたのですが、まずは由良川に観戦しに行ったのが事の始まりでした。ホームトレイルで一緒に走ったり、王滝にも一緒に行ったお友達が今年から参戦するというのもあったし、もっとぶっちゃけると、新しく買ったデジカメ(GF1)で自転車レースを撮る練習がしたかっただけなのです。(ロードレースよりも速度遅いからちょうどいいや、くらいに思っていた…)

朝早くに起きて、大阪から福知山へのJR鈍行列車に約2時間揺られて、タクシーに乗り継いで現場に到着。最初はコースを見て、MTB XCに比べりゃ楽なコースだなぁとか、正直なめてたんですが、レースが始まると高速走行と各種シケイン越えの緩急で展開されるレースにシャッターを切りまくっていたわけです。

なんとなく「おもろいなぁ、シクロクロス」と思い始めていたころに、同じGF1つながりで声をかけてきてくれたニョロニョロさんに「次は出んの?(出走するの?)」と声をかけられ、そう決めていたわけでもなかったのに「年明けくらいには出てみようかと」と答えたのが、本格的にハマっていったきっかけなのかな、と。

次に観戦した北神戸では、のちにCYで表彰台に乗る少年たちを一緒に連れて行ったのですが、「このレースがこれまでで一番観てて面白かった!」という発言を得て、なんとなくだった「シクロクロス観戦はおもろい」という想いは確信に変わりました。
(彼らはこれまでMTB XCの出走していることもあり何度も観戦していますし、ロードも何度か観戦に連れて行っていたのです)

北神戸では、同じくデジカメのテストを兼ねて動画を撮ったのですが、それがこちらです。

自転車競技の観戦というと、僕がいつも観て楽しんでいるロードーレースやMTB XCは、トラック競技やBMX、DH、各種フリースタイル系の競技に比べて、やっぱり難しいのかなと感じていました。

もちろんロードレースもXCも面白みがわかってくればよいのですけど、ロードレースは空気抵抗の話やら暗黙の了解から生まれるチーム間の駆け引きは、理解するのにある程度時間がかかります。XCなんかにいたってはレースは山の中なので観戦自体が難しく、TV中継が難しい。

シクロクロスはロードレースまでは行かないまでもそこそこのスピード感があり、ダート走行の楽しさを観る側に教えてくれます。そこに、程よいレース会場の狭さや、各種シケインといった観ていて楽しい仕掛けがあります。これはいろいろな人に見てもらって、その楽しさを知ってもらいたい!というのが動画やらいろいろ流すことに頑張りだしたきっかけです。

では、楽しさを知ってもらってどうなるのか?ということなんですが、自分が面白いと思ったことを人にも楽しんでもらいたいということもあるんですが、別の想いもありました。これは動画レポートストリーミングの最終回で話したことだったんですが、シクロクロスのもうひとつの重要な特徴として、自転車競技に関わるいろんなジャンルの選手やその関係者たち、ファンが集まってきているということです。

シクロクロス」の「クロス」は「クロスカントリー」の「クロス」らしいです。一方「クロスバイク」のほうは「クロスオーバー(crossover)」ということで、ジャンルを超えたというイメージらしいんですが、シクロクロスはそこに集まる人間が「クロスオーバー」している感じなんです。

ロードレース好きな方が、国内トップカテゴリのロードレース選手をお目当てにシクロクロスに来ると、そこにはMTB系の選手も走っていたりして「あの人速いね!」ということにもなるでしょう。具体的に言えば辻浦選手や竹之内選手なんかを関西シクロクロスではじめて知った、という人も多いでしょう。もちろんその逆も然りで、そうやって観戦する人たちがお互い別の世界を知れるきっかけになると思うのです。個人的にはそうやってMTB XCの世界も知ってもらって、観戦者数の少ないJシリーズの状況を少しでも変えられないかな、なんてちょっとした野心もあったりしました。

ちょっと書いてエントリにしようと思ったら少し長くなってしまいました。シクロクロスのシーズンも終わり、クロスオーバーしたジャンルから集まってきた人々は、今度は各々のフィールドに戻ってシーズンインしていきます。

僕も遅いなりにも自分の目標を持ってシーズンインしていきます。今年の晩秋、再び関西シクロクロスの会場で皆さんとお会いできることを楽しみしています!